映画「メアリーの総て」

メアリーの総て、ずっとみたかったので!みてきた!だいぶ前に!(そんなんばっか)フランケンシュタインの作者、っていうだけでわくわくする、そんでディオダディ荘の怪奇談義(詩人バイロンが客人を集めて、それぞれに怪奇話を語った。このことからフランケンシュタインとヴァンパイアの物語が生まれた)が興味深いのでどんなか知りたかった!

内容は、

アナーキストの父とフェミニストの母を持つメアリーは、物語を書きつつも、売れない本屋の店番しかできない毎日に鬱屈を感じる。詩人パーシー・シェリーと出会い、妻子ある彼と駆け落ちして恋を果たすことで世界は変わるかに見えたが…

というような話。

こういうひとにオススメ
・ズバリ、フェミニズム(というか女性差別?)に関心ある
・ダメな男をどうにかしたい
ヴィクトリア朝イギリスの雰囲気が好き


結局、怪奇談義ちょう一瞬なんですよね(笑) なので、そこは期待せずに。メアリーは母親みたいに強く生きたいと思いながら、それでもクソみたいな男を好きになってしまったがためにほんとに苦労する。妹も、それをさらに上いくクソに振り回されるし、社会も女を嘗めてるし。そこらへんに女性は共感できるとおもう。
個人的に、バイロンの医師ポリドリが好きで、彼が魅力的なクズ、バイロンを抗えない魅力的な魔物ヴァンパイアとして描くのが萌えどころ…(映画では主眼ではありません)。バイロンはポリドリには悪いことしようとはしなかったとおもうけど、やはり魅力的な魔物だったとおもう。

そんでメアリーとポリドリの同志のような関係がとてもいいです!好き!!

ただまあ、全体としては意外と淡々とした話だな…という感想。フランケンシュタインの怪物も最後の最後にちょっと出てくるだけですし。女性が今よりさらに不遇だった時代に自分の才能を切り開いた女性の人生史を、たんたんと見る感じの映画でした。

余談ですが、メアリーの母親ウルストンクラフトの生涯とか、彼女が恋した画家フューズリの名作「夢魔」とか、メアリーの親友でバイロンの娘、世界初のプログラマーと呼ばれるエイダ・ラブレスのこととか、バイロンが「シヨンの囚人」という詩を書いたフランスの城シヨン城のこととか、この辺の時代からヴィクトリア朝にかけて(19世紀のイギリス)は知れば知るほど楽しいです。