映画「君の名前で僕を呼んで」

みてきました。だいぶ前に…

イタリアの田舎で作曲とピアノの日々を過ごす少年エリオのもとに、大学院生である年上の美青年オリヴァーが現れて恋に落ちる話。

こういう人にオススメ
美しい男性二人で目の保養したい
恋の喜びや痛みに共感したい
クィアに関心がある(直球)

映像が非常に美しかったです。降り注ぐ夏の太陽、果汁のしたたり、二人のからだ…

なんですけど、個人的に恋愛の機微にちょうぜつ疎いので、「いつ好きになったんかなあ」「今なんでこれしたんかなあ」「なんでそんなことすんのかなあ」とかがまったくわかんなくて、「ふーん……」という気持ちで見てしまったというのが正直なところです。特に、君の名前で僕を呼んでほしいというキモのところがあんまり理解できないっていう…(嫌じゃない??)
まあ、ムーンライトとかでもそんなかんじだったから、あれだ、絶望的にラブストーリーが向いてない。絶望的に向いてないのにクィアという関心のもといろいろ見てきてしまったのだが、これからどうしようと真剣に考えるきっかけになった、ありがとう。

あと、この作品を「単なる同性性愛映画じゃない」というひとがいて、それに対して「同性愛というのが重要な要素だ。その要素を剥奪するな」という意見をみることで、個人的に非常に考えさせられました。マジョリティがマイノリティの物語を普遍として自分に吸収させてしまうことが、それによってマイノリティを「見ないフリ」することになってしまうんじゃないかという指摘だと思うんですね。これはそのとおりだし、いかにマイノリティはマジョリティと違う自分の存在を主張しないと消されてしまうのかという、その実在性を考えた。まあ、いるよ!って言えるようになっているということが、これまでの積み重ねであって、過去のありとあらゆる尽力に尊敬の念を抱かずにはいられない。

さて、とはいえですね、最後に涙を流すエリオのシーン、このシーンのために物語はあったのだと思うと、見てよかったとは思いました。夏の対比に、あまりにも美しく悲しい冬です。