ドラマ「his ~恋するつもりなんてなかった~」

メ~テレのドラマ「his~恋するつもりなんてなかった~」を見ました。ので、感想。

完全にネタバレありなので気を付けて。

 

少年2人の恋の話ということで期待して見ました。

思ったのは3つ。

1.男の子の恋の話としてなら、楽しめる

2、人間の行動としての説得力が(特に脇キャラに)ないのがキツイ

3、LGBTと接することにおいて望ましさとは

 

 

ちょう個人的メインキャラ紹介

迅:名古屋から単身赴任の父を訪ねて湘南にやってきた高校生。父親が仕事で外出してしまい、湘南で出会った人々と過ごすことになる。サーフショップ?の熊切家に居候。流されやすいし若干ぼーっとしてる。純粋で他人を信じやすく、それゆえ他人の懐に入りやすい。自分に対して自信がありそうには見えないが(というか自分探ししてる?)、他人に自信を持たせる能力がありそう。他人を否定するような人間でないので、渚のことも渚自身として受け入れてしまうのだろう…あと、愛されることに弱そうだ(好きになられたら好きになっちゃう)。

渚:親元を離れ湘南に一人で越してきた高校生(ちゃんと編入してるのか?)。イケメンだけどぶっきらぼうな感じがある。サーフィンが好きで、熊切家に出入りする。「太陽がいっぱい」の小説を読み、江の島の「稚児が淵」伝説に共感するキャラクター…と言えばわかるが、セクシャリティに対してつらい過去を持ち、今なお葛藤している。心を開いたら強気な割に、自分の気持ちには引け目があるかんじ。

千歌:熊切家の一人娘、もうすぐ大学生。渚のことが好き。カラオケ屋でバイトしてる。派手な先輩をバカにしてる割に自分の方が魅力あるのにとか思ってる傲慢さと、なんだかんだ素直な感じを併せ持ってる感じがした。

亜子:千歌の後輩。褒められたことで、迅を好きになってしまった。自分のイメージづくりのためにカメラを持ち歩いたり、演劇ワークショップにかよったりする。傲慢と言うよりもある種の自己防衛…傷つきやすく、傷つかないために過剰防衛して生きてる感じがある。

松子:渚の元カノで千歌の先輩(仲良くはない)。他人を思いやれる感じではないが、根は純粋で、キャラクターが派手なせいで素直になれないだけのイメージ。

千歌のバイト先の先輩?:千歌の明るいところが好き。一回就職したけどやめてカラオケ屋やってる。コミュニケーションに難ある感じがちょいある。人が嫌いなら嫌いでいいのに、変なとこなれなれしいので、正直共感してしまって痛々しい。

 

ということを踏まえて。

1.男の子の恋の話としてなら、楽しめる

渚が迅を好きになる気持ちはまあわかる…し、迅が渚を好きになる気持ちもまあわかる…の範疇における…のか?ほんとに?私は迅がいつ渚を好きになったのかわからなすぎて、別キャラが「迅くんも渚くんが好きだと思う」と言い出した時、「えっ?そうなの?」となりましたが、それは私の恋愛感受性の問題かもな。

それはともかく、渚の男性同性愛者としての葛藤と辛い経験…それを踏まえて迅に対して、多分友達としては強気でいられるけど、恋愛感情を持っていることには引け目があるかんじ…つらい…。千歌が同性愛を普通じゃないと思ってる感じに対して、「おれによっては、当たり前のことだから」と言った時、うわあああ渚ーーーーと愛情が深まったし、「迷惑じゃなかったら、迅のこと好きでいたい」と言った時なんだそのいつもと違う弱気はーーーーお前だけは幸せになれーーーーとなった。あと、迅が千歌と付き合うのでは?と思って渚がイライラしてたとき、違うってわかった瞬間ころっと態度が変わった時には「お前…わかりやすすぎだろ」と好感を覚えた(笑)。

逆に迅のよくわからんスタンスには思い入れられなかったが、最後に渚の思いにこたえてハグしたときには、お前も大人になったな(?)と好感度あがった。

まあそういうわけで、少年同士の恋愛モノとしては、楽しめるので見てほしいです。

 

2、人間の行動としての説得力が(特に脇キャラに)ないのがキツイ

もう羅列するけど、

・さしてまだ仲良くもない相手を「他人の家に居候したらいいじゃん」とまで言って引き留める人間いる?

・それを「じゃあ」って言って受け入れる人いる?

・なんで突然、好きな人にバイト紹介する必要あるの?

・信頼できるバイトに紹介されたからって不必要なバイト雇ってあげる経営者いる?

・元カノとの別れ話にまだ告白してもいない好きな人(というか友達)同席させるやついる?

・目の前でお金が足りないってなってる他人に突然「一緒に払います」っていうやついる?あまつさえ、そいつとカフェ行って恋バナするやついる?

・元カレが別れ話に男同席させただけで「今はその人のことが好きなんだ」って思うやついる?

・肉の骨埋めれないの、なんかの伏線なの?(これはどうでもいいけど)

これ一部なんですけどね、こういう積み重ねが、全然共感できないんですよ…でも単純に私が世間知らずで共感能力が低い、のかもしれないのでそれはすいません。個人の感覚として捉えてください。しかしなんというか展開に説得力を感じないんですよね。そんなわけないやん、みたいな。そういうところをもっと説得力出していただきたかったという気持ちがちょっとあります。

(あと、10年くらい前の設定なのでミクシィとか折り畳み式のケータイとか出てくるんですけど、なんかその設定意味あった?とかなってます。)

 

3、LGBTと接することにおいて望ましさとは

正直に言って、ちょっと「うーんこれはアリなのか?」と思ったことがあったんですね。特に最終話について。千歌が渚に発破をかけて「私のためにも告白しろ、できないのは弱虫だ」とか言うんですけど、同性愛者の置かれている社会の状況を踏まえたらこんなこと言っていいんだろうか。異性愛者の弱虫度と同性愛者の弱虫度は同じか?そこらへんをまったく踏まえずにこんなことをいう、それをまるで「恋愛は思いをそのままいうのが良いことだ」みたいな感じで視聴者に押し付けるの、どうなんですか?しかも時代がガラケーとかミクシィの時代だから、今よりもちょっと偏見強いよね。そこらへんも考えたうえで制作チームが作っているのかどうか気になってしまいました。こういうフィクションは、いろんなひとが見るという意味で影響力があります。どういうメッセージを伝えるのが適切なのか、良く考える必要があるよなとは思っています。考えた末のメッセージならごめん。でもどうなのと思っています。

 

とはいえ、2020年公開の映画で続編があるようなので、そっちですべてのカタルシスを解放してくれるならいいかとも思っています。期待してます。